出せなかった手紙のように
台町さや香 絵画展
本展のタイトル「出せなかった手紙のように」は、伝えられなかった思いや心の奥に残りつづける感情を表しています。
手紙を書くことは、誰か(自身含め)を想う行為でありながら、ときに迷いやためらいによって差し出されることなくそっとしまわれる…
日々を暮らすことや絵を描くこともまた、その営みの連続のような気がしています。
部屋の中の小物たち、窓辺の光、遠い町並み、そして記憶の断片
日常のささやかなモチーフを手がかりに時間を重ねた絵具の層は、しずかに閉じ込めた一通の手紙のようにも思えます。
今年は再び油彩へと表現の軸を置き、
色彩や筆触などひとつずつ確かめながら制作を続けてきました。
いつかまた封を開けてみるようなことがあれば、そこに広がる景色は懐かしくもあたらしい風のようであれと願っています。

