[木版画]
2025. 2.18(Tue)-3.1(Sat)1 2 : 0 0 – 1 8 : 0 0
C l o s e d : S u n d a y , M o n d a y
夜眠りにつく時、翌朝目覚めることはないのではないかと思うことがある。私は2024年の夏、アーティスト・イン・レジデンスのため、ポーランドに約2週間滞在した。私が訪れたのはクラコフからさらに車で1時間ほど南東に行ったスタリ・ソンチという街だった。街は小さいけれど街並みが美しく、路地もきれいで、森や湖も近く、作品制作をするには最適の場所だった。毎朝天気が良ければ、森か湖まで歩き、朝靄に包まれた風景の写真を撮った。見渡す限り風景は美しく、街は平和だった。しかし、レジデンスに参加していたポーランド人から彼のお爺さんはナチスによって強制収容所に連れていかれたという話を聞いた。そうだ、ここポーランドは第二次世界大戦中、ナチスドイツによって蹂躙されたのだと思い出した。そして、目の前に広がる景色の背後には多くの人の死があることを理解した。私たちの住む日本では安心して眠りにつくことができる。しかし、世界各地では明日の我が身も全く保証されない状況で眠りにつく人たちもいる。本当に私たちは同じ「世界」に暮らしているのだろうか。夢を見ているのだろうか、はたまた悪夢を見ているのだろうか。ここは地獄なのか天国なのか。それを確かめるために私はまた眠るしかない。 |