柴田直樹

2024.03.05 - 2024.03.16 [ Ami-Kanoko ]

柴田直樹
[平面] [絵画]
2024/3/5(TUE)~3/16(Sat)
12:00-18:00
Closed: Sunday, Monday
略歴
1994年 石川県金沢市に生まれる
2016年 京都芸術大学 日本画コース 卒業
2018年 京都造形芸術大学 大学院 修了展「優秀賞」受賞
2018年 京都造形芸術大学「シュレディガーの猫展」出展 東京都美術館/東京
2018年 京都芸術大学 大学院 ペインティング領域 修了
2020年 Artistsʼ Fair Kyoto 2020 入選 京都文化博物館/京都
2020年 IAG AWARDS 2020 入選 東京芸術劇場/東京
2020年 UNKNOWN ASIA 2020 ONLNE レビュアー賞 受賞
2022年 Art Goes On session 3 出展 シーサイドスタジオCase / 大阪
2022年 それは波としてそこに現れる ψ 個展 STUDIO DIFFUSE MAKE+ / 大阪
現在は京都を拠点に活動。
波をモチーフに用い、“存在するということ”がどういうことなのかを仏教や哲学、量子力学等の観点から模索し、関係主義的に作品を構築している。
現在は京都を拠点に活動。

ステイトメント
私は“存在するということ”それがどういうことなのか、関係主義的に考え作品を構築している。
関係主義とはつまり関係は実存に先立つという考え方のことだが、私の考え方は少し違う。私
は関係と実存はイコールなのではないかと考える。
そして、関係は情報ともイコールなのではないかと考えている。
情報学的に“情報を持つ”とはつまりとあるAの状態を把握することでとあるaの状態を把握する
ことが出来ることである。つまりAが1という数字を持っているならばaは0.1という数字を持って
いるということ。この場合はAがaの情報を持っているということである。それは、Aとaが関係し
ていると言い換えることが出来るのではないかと私は考える。
私達が確かにそこに在ると感じている目の前にある物質も、量子力学的に考えればそれはただ
のまとまりのある霞のようなものだ。場に発生した小さな小さな揺めき、その“波”が素粒子として
立ち現れては消え、そこに様々な現象としての幻のような粒子が明滅する。その明滅する粒子達
が相互に関係しあい、次第に原子核という関係を構成し、その関係は原子へと関係を広げ、その
原子と原子が関係し分子という関係に至り、果てには私達の目の前にあるような物質という巨大
な関係性を築き上げている。私の身体、脳もまたその巨大な関係性そのものであり、その巨大な
関係性が別の巨大な関係性と相互作用し合うことによって我々は外界と呼ばれるものを認識して
いる。我々が五感で感じ取って、そこに在ると思っているそれは関係の一形態であり、一つの情
報体である。そもそもの“波”それ自体が関係の一形態であると言えるだろう。
確かにここにいると感じている自分も、そこにあると感じている現実も全ては一つの関係の在
り方であり、情報に過ぎない。
存在=関係=情報という等式が成り立つのならば、一言で虚構と呼ばれるような多種多様、
様々な情報体もまた存在と言えるのではないだろうか。今、私の目の前にあるノートPCも、ふと
思い浮かんだユニコーンも関係性の有り様、情報が違うだけで存在というものに違いないのでは
ないだろうか。
虚構と現実、そこには関係の仕方という差異があるだけで存在としての優劣はない。ただなん
となく、我々が呼び分けているだけである。
そして、遠くない将来にそれらは“溶け合い”、その差異も消失する未来が来るかもしれない。

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