日下芝 ー見ることの楽しみー

2025.04.15 - 2025.04.26 [ 2F Kanoko ]

日下芝
[平面] [版画]

庭園様式の「枯山水」のような、比喩的思考で、小石や砂利を自然に見立てるように、図形を何かに見立てて絵画空間を作りだす仕事をしています。 何かの対象を描くのではなく図形を使い形態を造型していく感覚です。 その対象は風景や人物、静物などありとあらゆる対象同士の空間をヒントに構築していきます。 図形や描く対象が重要ではなく対象同士の空間が重要となります。 図形を使った情景はあくまできっかけであって、その向こうに何かを見たい。 それは絵画の仕組みを使い、精神的な世界にふれるような事ができればと考えています。 何かを抽象化していくのではなく、抽象化されたものを使って具体的空間を構築していく。 その形式は絵画、立体、インスタレーションであり、どんな形でも良いと思っています。 どこにでもある、日常空間を芸術と言われる形式の中に作り直す事が自分の仕事と考えています。

私が主に使う技法は絵柄を切り抜いた型を当て、上から塗料を塗るステンシル技法です。ステンシルで塗られた絵柄をこすったり、ぼかしたり、にじませたりと動きの効果を与えて表現をしています。今回の展示多くの構図はシンメトリーや整列を多く用いて安定した配置の表現を試みています。しかし数点絵柄の配置を少しズラした構図の作品も用意いたしました。安定ある表現のなかにすこしの不安定要素を入り込むことでより深みのある表現ができたと思っています。連続した図形が生み出す絵画を楽しんでいただければ幸いです。


日下 芝

略歴

1968 北海道生まれ
1992 創形美術学校卒業
1999-2000 ホルベイン奨学生
2001,2010,2013 GALLERY AMI & KANOKO ( 大阪・日本橋)
1995,1998,1999 現代日本美術展 ( 東京都美術館・京都市美術館) ’98大賞, 埼玉県立近代美術館賞 ’99招待
2000,2002 トルコ災害復興「心のパンプロジェクト」( トルコ・デイルメンデレ)
2002 東京国際ミニプリントトリエンナーレ 2002・美術館賞
2002,2005 高知国際版画トリエンナーレ ’02佳作賞
2002,2007 「風の芸術」展トリエンナーレ ’02佳作賞 
2004 版の記憶現在/ 未来 ( 東京芸術大学)
2005 KOREA INTERNATIONAL ART FEAR( 湘南台画廊・韓国)
2008,2009 art oosaka – Gallery 工房 親 ( 堂島ホテル・大阪)
2009 slick09 – Gallery 工房 親 (paris・france)
東京コンテンポラリーアートフェア 2009 – Gallery 工房 親 ( 東京美術クラブ・渋谷 )
2010 VanDeb Editions & Ami/Kanoko Gallery – New York-Osaka/Osaka-New York (USA・New York)
2010 Gallery 工房 親(東京・恵比寿)
2011,2012 Shonandai MY GALLERY(Tokyo)
2012-2017 Gallery EL/POETA(Saitama)
2012 グルグルハウス高柳 (Nigata)
2013 GALLEY K (Saitama)
2017 Gallery Art 童夢(Osaka)
Gallery 彩光舎(Saitama)

 

パブリックコレクション

埼玉県立近代美術館,デイルメンデレ美術館,多摩美術大学美術館,文化資料センター南溟館,いの町紙の博物館,阿伎留医療センター

日下 芝detail

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