仲 真市

作品について
今回は、最大でも20号程度の小品を中心に平面抽象作品を15点ほど 展示する予定です。主に、キャンバスにアクリルを使用して制作しておりますが、紙を下地に使用したものもございます。素材を生かしつつも、素材の力に依存しすぎずに成立させられるか。そういったことを念頭に置きながら取り組みました。空間のなかで個々の作品がどう映るか、どう共鳴するか、本人としても愉しみなところです。

個展

1993
ギャラリーミトヤ(佐賀)
1994,96,97
東判画廊(久留米)
1994
アートスペース貘 (福岡)
1994
フリースペース風雅亭(福岡)
1994
わたくし美術館(湯布院)
1996,99,2001
早良美術館るうゑ(福岡)
1996
ギャラリー源(福岡)
1999
大渕画廊(久留米)
1999,2002年代
ギャラリーおいし(福岡)
2003,04
アートスペース欅(福岡)
2004年代
B-PLACEギャラリー(神戸)
2004,05
ギャラリー58(東京)
2005,06
ギャラリーとわーる(福岡)
2001,02,06年
Hooga(小郡)
2006
tas(久留米)
06,07
画廊 編(大阪)

グループ展

1995
第8回吉原治良賞美術コンクール展(大阪現代美術センター)
1995-2003 年代
AIS展 (佐賀県立美術館)
1995
OX SHOW (福岡:ギャラリー源)
1996、97
ART GARDEN(久留米:東判画廊)
1997-2003
早良美術館るうゑ コレクション展(福岡)
1998
礎(いしずえ)展(久留米:石橋美術館)
2001-03
独歩展(福岡市美術館、福岡県立美術館)
2003
韓日現代絵画交流展(韓国・ソウル)
2004
福岡アートイベント「アートをたずねる月」
2005,06
アートスペース画椰 企画 F3号展(福岡)
2007
日韓現代絵画展(福岡アジア美術館)


普段想う事・感じる事 仲真市


ヒト、人間。ジンカン。
負の因子を孕(はら)みつつ、矛盾を湛(たた)えつつ、存在する。
混沌の世界で、小さな個人がさまざまなものを抱えたコントン。
理想を想うものの、現実に生きる他はなく、
整理立てて潔くしたいのだが、叶わず、うやむやなまま存続する。
もはや、悲観するものでもなく、在る、という有り体(アリテイ)。
善も悪も、呑み込む。受け入れる。馴れる。やがては、終わる。

4、5才頃母に問うたらしい、「なぜ生まれてきたか生きているのか」。
風呂に浸かり、壁のタイルをじっと見ていると時折それは暗く迫って来て、見えているこの世界が嘘っぽく思えて怖くなり、いつかはボクも死ぬ、とひとり泣いていたのをぼんやり憶えている。
ここ数年の映画に夢あるいは仮想空間と現実の世界の交錯をモチーフにしたものがいくつかあって興味深く観た。
現実と思って暮らす人生は実は途中から夢にすり替わっている話や仮想現実のプログラムの中に生かされて 波打つ鏡の向こう側にある現実へ覚醒する話。あの風呂の壁の不安とおんなじだ、と妙に納得したりした。

人間の曖昧な記憶、不確かな視覚、歪曲される事実。未整理で矛盾した感情。
私の作品のタイトルに“weeping pink” というのがある。ピンクの縦筋が幾重にも重なる。いろんな色の粒子が見える。ピンクは「高揚する色」である。溌剌として、時にエロティック。
一方、WEEPとは「むせび泣く」、詩的形容表現として「したたるような…」という意味もある。
ウィーピング・ピンク、つまり「揚がっているのか、下がっているのか」「嬉しいのか、悲しいのか」。
ない交ぜになった同時多発な有り体(ありてい)を表現するものである。(引力を意識するために、縦の線の流れを用いている。)混沌たる世界と混沌たる個人は、もはや収拾つかず、それでも尚したたかに日常を生きる、パラレルなリアリティー。
「キレイな作品ですね」と言われることがある。色彩的に鮮やかなピンク、黄色、ブルーで、明るくて、一見ポジティヴ。しかしじっくり対峙した鑑賞者のコメントは必ずしもそうではない。弾き合う配色と全画面的図柄が相まって、鑑賞者は軽いトランス状態になり、さまざまな思考、悲喜こもごもの記憶を喚起する。私は自分の作品をそういう「装置」と位置づけている。(仲真市)


仲 真市    展覧会日記

 画廊編 / 2007,8,27Mon-9,1Sat      

展示されている作品は無彩色に近い色で展開されていますが、ビビッドな色合いを使われた表現のものもありました。ピンクやイエローで描かれていても派手という感じはなく、キャンバスに紙を張って着彩した作品もあり、素材を活かした小さなニュアンスの違いが作品にソフトな印象をもたらせています。

薄くつやが無い様にニュアンスをつけた絵の具を画面に塗って、アクセントの様な、ポイントの様な線が跡のように描かれています。

展示には穏やかな雰囲気を受けましたが静かな抑揚が感じられて、ずっと絵を描いてこられた中でどんどん洗練された作品を作られているのではないかと思いました。
どこか落ち着いて整然としている感じを受け、作家が作品に込めた想いが伝わってきます。
                                       2007. 9 天岸 藍子