Reviewing Vol.1

2022.03.22 - 2022.04.02 [ 2F ]

ラルフ・キジェル 堀尾貞治 日下芝 関淳一 ASADA

2022.3.22(火)-4.2(土)
12:00-18:00
休廊 3.27(日),3.28(月)
12:00-18:00

1994年から2021年までの作品を御覧いただきたいと思います。

作家 堀尾貞治/関淳一/ASADA/日下芝/ラルフ・キジェル
Sadaharu HORIO/ASADA/Reishi KUSAKA/Ralph Kiggell

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堀尾貞治
1939年 神戸に生まれる。
2018年 没
具体美術協会に所属し、「あたりまえのこと」という題をテーマに、主に“空気”や物の“存在”について、作品を制作。
本作は、1992年5月に制作。
外枠を黒く塗り、塗り残しの部分の形を見せる作品。
一般には、白い紙に色を塗ることで形を作っていくが、塗り残しで形を表すという逆転の発想を実現している。また、中心にできた空間をより強く意識させる意図がある。

ASADA
1971年 神奈川県生まれ
1994年 東京造形大学卒業
神奈川県在住。

陶器により、武具、ヘルメット、甲冑、怪獣などを制作。
甲冑、ヘルメットは作家自身が“身に着ける“ための一つのボティースーツとして制作されているため、作品のサイズは等身大で、着衣することができる。
本作品は、2021年の作品のミニチュア版であり、ボディについている甲冑は、取り外すことができるという遊び心のある作品である。

日下 芝
1968年 北海道生まれ
1992年 創形美術学校卒業
埼玉県在住

画面に時間を定着させるという考えのもの、制作された作品である。
形は正方形、色は鶯色のライトグリーンという、極めてシンプルなものであるが、30回から50回ほど色がキャンバスに塗られたため、形の脇から薄いにじみが見られる。これが、この絵画の鍵となる部分である。作家により期待された滲みではあるが、絵具を重ねることによる副産物であり、描く行為からは離れた部分である。それゆえ、絵画の中で、作家を絵具を塗った部分と、作家が手を加えていない部分の二つの部分が干渉する。正方形が幾何学的である分、この自然の滲みがより印象的にみえる。総じて作品は静かで寡黙である。

関淳一

1957, 東京都生まれ
1984, 東京藝術大学美術研究科版画専攻修士課程修了
東京都在住

植物の植生を写した抽象画である。
植物の周りには、光、空気がある。その上、植物は色を持つ。葉は、青く緑で、花は色に満ち、ときに虫の気を惹く色の実をつける。作品は、こういった植物に立ち現れる、上に伸びようとする生命観、葉脈のようす、茎や葉のしなやかさに着目して、その線を抽出したものであり、ひとつひとつ線は、植物を写したものである。作品は抽象画として映るが、実はものを直接見て描かれたものである。

Ralph Kiggell
1960年生まれ タイ在住
イギリス人。
日本の精華大学/多摩美術大学で木版画を学ぶ。
2000年にタイに移り、そこでアトリエを構え、現在に至る。
本作品は、タイに移り住んだ直後に制作したもので、熱帯、亜熱帯の動物や植物の直接的で多様な色の配置を絵画で表現したものです。色は絵画においても、我々の生活においても重要な要素であるが、母国イギリスと気候、風土の異なるタイに移ったとき、その色の輝きとインパクトから、図像における色のあり方について再考する中で出来上がった作品である。

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