KUMI KORF

2017.05.15 - 2017.05.27 [ 1F Ami ]

クミ コーフ
[銅版画]
umi KORFの版画の特徴は幾つかあるだろう。その一つは、左右で異なるイメージを一つの紙に刷ることである。
左右のイメージは、独立しており、絵画として成立している。その二つのイメージを、
心地良さと違和感の二つのギリギリの立ち位置で組み合わせる。
作品を見る者は、視野の中に二つの独立したイメージが現れ、それを頭の中で統合させていく作業を求められる。
その作業を考えてみると、interact 相互に影響し合う、intercede仲裁する、interchange入れ替える
intercommunicate互いに通じる、interdepend相互依存する、interface干渉する、
interfuse にじみ込ませる interlace 組み合わせる interlock連結する
interrelate 相互に関連付ける interrupt さえぎる intertwine絡み合わせる
intereweave編み合わせる、等。
これらは、作家が二つのイメージを配置するときに既に行っていることでもあるが、
鑑賞者に委ねられていることも実際は多い。
 二つ目の特徴は、NYで買うという薄い和紙に刷られていることである。
額装は、この和紙の特徴が際立つように、紙の上部にのみ糊を付け、紙が額の中で浮いているように工夫されている。
作品にとって、「紙」の柔らかさ、薄さといった触感が大切なのである。
そして何よりも、和紙は、作品が密接に日本の文化と関連性を持っていることを含ませている。
 三つ目は、その柔らかい線描写であろう。まるで、書家が好むであろう太い筆にたっぷりと墨を含ませて描かれた線が画面の中にある。
勿論、墨絵でないので、色が混じるのであるが。一般的に銅版画の線は、ニードルで銅板を削るため、堅く直線的である。
しかし、Kumi KORFの線には、スポンジに描いたものを転写しているような柔らかさとしなやかさがある。
 作家は作り続ける限り、新しい視覚や触覚を追い求め、見るも者にそれらを投げかけてくる。
画面に付加され、複雑で決定的なイメージや意図を読み取ることは、作品を観る者の楽しみでもあり、ときには宿題でもある。

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