峰本克子

2018.03.19 - 2018.03.31 [ 1F Ami ]

峰本克子

ドイツに暮らす孫を書いた家族の肖像画シリーズ。
3人の孫たちの二人は眼鏡をかけている。
その眼鏡のレンズを通して、子供たちが大人を見る眼差しが鋭く、ときには冷たい。
「孫のことを描いてはいるが、孫とともにいつも世界中の子供の幸せを私はいつも願っています。」
という、峰本の言葉どおり、作家本人の孫で肖像でありながら、子供達への愛しい気持ちが作品から伝わる。
そういえば、シリアからの難民や、ミャンマーのロヒンギャの難民達の子供達のことが頭によぎる。

年に一度しか会えず、ドイツ語を話し、ドイツ語の文化圏の中で暮らす孫たち。
距離とともに、文化や精神性が異なる場所で生活し、大きくなる孫達を峰本が近くに引き寄せようと心で念じた肖像画の作品。

もうひとつは、風景画シリーズ。
森の中。木の高いところから猫がぬっと顔を出す。まるで夢の中のように。
下地の黄色が、画面の光景が現実から遠い印象を作っている。
どちらのシリーズも、下地には黄色が塗られ、マスキングで隠されていた黄色のドットが画面に浮きあがる。
このドットのお陰で、自然と画面が20cm四方に区切られることになる。
もしかしたら人は、こうした狭い面積に区切ってものを見て、それを結果的に頭の中で統合しているのではないか。
その作業の繰り返しの中で、モノの存在や美術鑑賞を行っているのではないか。
そういった人間に視覚のありかたを考えさせる作品である。

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