光の侵食

2015.11.30 - 2015.12.12 [ 1F Ami ]

海藤 博

ガラス作品展

今回の作品展について
古代の遺跡から発掘されたガラスは、表面からガラスの成分が溶け出して、
顕微鏡で見るレベルで観察するとガラス表面に無数の小さな穴があいているということが、
ここ数年の研究で分かって来ました。

その表面の細かな凸凹に光が当たると、複雑な光の拡散がガラス表面で起こり、
乱反射した光が虹色をつくります。これは人工的にできる光の産物ではなく、
偶発的な出来事と時間が作り出したモノの表情と言えます。

今回の作品は、古代の遺物にオマージュを抱き、
光が当たった時の波紋をつくるようにガラスの表面に文様を入れ、
それらが大小と無数にあることでフラクタルな状況をつくり出しています。

作品を制作する途中、サンドブラストで表面を深く彫っていくと、
彫られた穴どうしがガラスの内部や表面でぶつかり、新しい稜線を生み出していきます。
深く深く彫刻することで作品の内部に複雑に入り組んだラスの構造で出来上がり、
当たった光が作品の表面一面に複雑に反射して、直線的でない柔らか光線を放ちます。
装飾的な表面の彫りは、装飾の目的だけでなく、奥行きのある光の綾を見せるためのものです。

本展覧会では、彫刻の作品でありながら、素材であるガラスを透過した光をつくる作品でもあります。
その光の有様は、場にある光に依るため一様ではありません。
半透明なガラス素材を透過することで出来る光の陰翳の特徴をどこまで深い領域でつくり出すことができるのかが、
今回の作品のテーマです。

詳しい作家情報


海藤 博

1970 埼玉生まれ
1993 多摩美術大学立体デザイン専攻クラフトデザイン卒業
1993-1998 あづみ野ガラス工房勤務
1998-2009 東京国際ガラス学院勤務
2009 ガラス工房atelier K設立
2010-現在 東京藝術大学非常勤講師

活動歴

2005 「Senses of the Inner」Habatat Gallery
2006 「ゴブレット展2006」NIKIギャラリー册
2007 「GLASS 5 SPACE」おかりや
2008 「海藤博ガラス作品展」quatre seasons
2009 「海藤博ガラス作品展」NOVminamiaoyama
2010 「海藤博ガラス作品展」NOVminamiaoyama
2011  「3人展」らふと
2012  「ひらめきとかたち」妖精の森美術館
2012 「東京藝術大学助手有志展」東京藝術大学美術陳列館
2013 「空色の椅子」器スタジオTRY
2013 ART FACTORY’s「粋」参加
2013 「Rich Seasonオリエ30×30アート展」オリエアートギャラリー
2014 「ART FACTORY’s粋 八色のアートスタイル」渋谷東急本店
2014 「GLASS今日展-挑戦するガラス-」日本橋三越本展
2015 「日本のガラス展」代官山フォーラム
2015 「Project粋展」銀座三越

 

 

 

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