世界は同時に存在する  vol.2

2016.07.17 - 2016.07.23 [ 1F Ami 2F Kanoko ]

國吉文浩 川口洋子
この度、「世界は同時に存在するvol.2」を企画することになりました。
本展は、2012年にイロリムラ(大阪)で開催されました《「國吉文浩 展」~世界は同時に存在する~》の第二弾となります。
今回は、同大学(京都嵯峨芸術大学)の短期大学部洋画コースを卒業した川口洋子氏と2人展を同時開催いたします。
1階を2人展、2階を個展という形で構成しております。1階は平面作品を中心に展示し、2階はインスタレーション(空間全体を作品化したもの)となります。
複数の存在・現象が互いに関係し合ってできているもの《=複合体》を私は世界だと認識しています。
たとえ、個としての存在であっても、世界には純粋な「個」というものは存在しないと思います。
人間が認識し得るもの全ては、必ず複数の要素で構成されて成り立っている、世界は、必ず二つ以上の何かと何かの相互作用《関係》によってできている、と私は考えます。
《関係》という存在は、それ自体は形を持たない曖昧で不確かなものです。しかし、その不確かな存在である《関係》は、世界を「世界」として確かな存在(形在るもの)にしています。
この世界を成り立たせる役割を担っているものが、相互作用《関係》であり、それは、世界の基盤となる重要なものなのではないでしょうか。
私は、世界の基盤である《関係》こそ最も重要なものだと捉え、近年、「世界」における《関係》を可視化する作品を展開しております。
複数の風景を1つの画面で構成して描くシリーズ「世界は同時に存在する」をメインテーマとして制作しています。
このシリーズは、自らが実際に足を運んで撮影した自然風景の写真をいくつか選び、それらを画面上で組み合わせて描きます。
そうすることで、世界の軸となる見えない存在《関係》を画面上に表出させようとするものであります。
1階では今回、その「世界は同時に存在する」シリーズから新作を1点と、「《世界》と《セカイ》」という新シリーズの作品を中心に展示いたします。
複数の風景で構成される「世界は同時に存在する」シリーズに対して、新たな試みである「《世界》と《セカイ》」は、一つの風景の中で異なる世界を描き分けています。
タイトルに「《世界》と《セカイ》」とあるように、二つの異なる世界を同居させた作品となっています。
漢字の《世界》は、人類が世界に対して「世界」と名付けた世界です。カタカナの《セカイ》は、人類が誕生する前のまだ「概念」というものが存在しなかった頃の世界を指します。
《セカイ》は本来呼称が無いため、在るようで無いようで・・・ “呼称の無いものとして”存在している、と言えます。
グレーゾーンという言葉があるように、それは曖昧で捉えづらいものです。そのようなことから、カタカナの《セカイ》の部分をグレースケールで表現しています。
今回、新シリーズの「《世界》と《セカイ》」では、旅先フィリピンの風景を題材に描いたものを展示します。
また、2階(個展)では岡山の風景を題材に、全長6メートル超えの和紙を用いて空間全体を作品として表現いたします。
この大作は、新シリーズの「《世界》と《セカイ》」のグレースケールの表現を取り入れた作品となります。
川口洋子氏は、2012年のOギャラリーeyes(大阪)が企画する展覧会「Tourbillon 10」で作品を展示して以降、2013年から3年続いてOギャラリーeyesで個展を開催しています。
彼女は、主にアクリル絵具を使用し、カンヴァスやパネルから観えてきた形だけが描き出される作品等を制作しています。
2014年の個展のステートメントでは、《「見る」という行為は、曖昧な知識や経験によって制限されていることに気がついた。》と述べており、川口氏が描く世界観は、「見る」という行為から一歩二歩進んで「観る」という段階に達していることが伺えます。
彼女は、先入観をできる限り取り払ってあらゆる事象を見つめようとしています。また、その訓練として作品を描いているようにも感じられます。
目の前に在るものを当たり前のように、これは「~である」と1つの事象として捉えるのではなく、川口氏が《観た》対象は、彼女というフィルターを通すことで分解され、複数のものへと変容しています。
彼女の作品を観ると、普段一個の対象として捉えているものが、複数の要素で構成されていることに気づかされます。
川口氏は、あらゆる事象のひとつひとつの存在に目を向けて制作を行っております。
彼女が観察することによって、現れたカタチは、そのひとつひとつが輝きを放っているようにも感じられます。
《観る》という行為は、目から情報を入れることだけではないように思います。視覚を遮断することで、他の感覚器官が研ぎ澄まされます。
川口氏は、目から情報を入れずに、聞こえた音を線や点などで形をおこして描く「音ドローイング」といった実験的なものにも挑戦しています。
また、昨年のOギャラリーeyesでの個展では、平面作品で行っているシゴトを「旗」を用いた作品へと展開し、旗の映像作品も合わせて展示しました。
今回の「世界は同時に存在するvol.2」でも、平面・旗・映像の作品を展示いたします。
本展をぜひ、ご高覧くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。
「世界は同時に存在するvol.2」企画 國吉文浩

川口洋子

1990 大阪府生まれ
2010  京都嵯峨芸術大学短期大学部美術学科洋画コース卒業
2012  京都嵯峨芸術大学短期大学部専攻科美術専攻洋画コース卒業
 2013  京都嵯峨芸術大学短期大学部研究生修了
 2013  第28回ホルベイン スカラシップ奨学生

個展

2009 京都嵯峨芸術大学アートプレイスU2(京都)
 2012  ギャラリー301due(神戸)
 2013  Oギャラリーeyes(大阪)
 2014  Oギャラリーeyes(大阪)
 2015  Oギャラリーeyes(大阪)

グループ展

2010 ただ見てもらいたいんだよね(Art Community Space AKIKAN・京都)
2010  UMINO Yuka×KAWAGUCHI Yoko exhibition(京都嵯峨芸術大学アートプレイスU2・京都)
2011  Painting point(同時代ギャラリー・京都)
 2012  ONE ROOM’12(京都嵯峨芸術大学クラブボックス・京都)
 2012  Tourbillon 10(Oギャラリーeyes・大阪)
2012 GALLERY 301 GROUP EXHIBITION(Gallery301・神戸)
2013 ONE ROOM’13(京都嵯峨芸術大学クラブボックス・京都)
2013 Container Drawing Project(神戸ビエンナーレ会場 メリケンパーク神戸港エリア・神戸)
2014 流れる風景(2kwギャラリー・大阪)
2014 les signes 3(Oギャラリーeyes・大阪)
2015 EXHIBITION by ZERO!(あかね画廊・東京)
2015 With Art EXPO~うまれてうれしい~(住之江公園・大阪、オランダ大使館・東京、ギャラリー唐橋•滋賀)
2015 LA VOZ 2015(京都市美術館別館・京都)

國吉 文浩

1987 大阪府生まれ
2010 京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科油画分野 卒業

個展

2013 複合体としての世界(gallery near / 京都)
2012 ~世界は同時に存在する~(イロリムラ・cref /大阪)

略歴

2016 二十七人旅、(第11回) どこかにあるようなどこにもないような場所へ― 二十七人が描き出すそれぞれの旅のかたち。(同時代ギャラリー / 京都)
2015 「創造する物語の肖像」展 (ギャラリーカフェ テオ / 愛知)
2015 二十五人旅、(第10回) どこかにあるようなどこにもないような場所へ― 二十五人が描き出すそれぞれの旅のかたち。(同時代ギャラリー / 京都)
2014 芸術ran賞7(江之子島文化芸術創造センター / 大阪)
2013 SAGE展VOL.6 Passion GALLERY SAGE 6周年記念公募企画展 (GALLERY SAGE / 大阪)
2013 「TAKE OUT ART! -アートを”お持ち帰り”する小作品展-」 (gallery near / 京都)
2012 芸術ran賞6(イロリムラ 89画廊・cref / 大阪)
2011 芸術ran賞 №5 天竺へ(イロリムラ 89画廊 / 大阪)
2008 おかえりなさい展(嵯峨野開町 廃屋 / 京都

学生自主企画展

 2010 one room 5 (京都嵯峨芸術大学クラブ棟)
 2009 one room‘09 (京都嵯峨芸術大学クラブ棟)
 2008 one room‘08 (京都嵯峨芸術大学クラブ棟)

その他

2011 芸術ran賞5 イロリムラ特別賞
2011 萬福寺芸術祭 -EN- アートフェア 出品 (黄檗宗大本山萬福寺 法堂 / 京都)
2011 Artists’ Action for JAPAN (KOBE HARBORLAND CANAL GARDEN キャナルストリート / 兵庫)
2011 Artists’ Action for JAPAN (eN arts / 京都)
2011 Artists’ Action for JAPAN (川の駅はちけんや / 大阪)
2010 萬福寺芸術祭 -EN- アートフェア 出品 (黄檗宗大本山萬福寺 法堂 / 京都)
2009 ART UNIV.2009 (元・立誠小学校 / 京都)
2009 第10回伊丹0号大賞展 出品(アートホール蔵 / 兵庫)
2009 嵯峨天皇奉献華道祭の脇役として絵画作品を展示 (大覚寺 / 京都)
2009 京都学生アートオークション (キャンパスプラザ京都)